〜幸せの雫・第5章〜 蒼鷹†光

幸せを求める苦労、辛さ、それを押し付けてしまった
いっしょに幸せになろうと言ったのに
僕は探そうとしなかった・・・自分一人傷つくのを恐れて
彼女一人にすべてを押し付けてしまっていた
彼女は見つけた幸せを僕にも分けてくれていた
けれども僕は・・・僕は彼女に何にも与えることができなかった
ただ、その幸せに浸り、自分の言いたいことを言い
彼女が幸せを探す際に傷ついた心、体を癒すこともせず・・・

ただ、ただ後悔した・・・彼女がそんなこと全く思ってないかもしれないのに
後悔した・・・そして、「愛しいあの人」に僕が与えてしまった重りから解放してあげたい
「愛しいあの人」が負ってしまった傷を介抱してあげたい・・・

「愛しいあの人」の側に行きたい・・・
「愛しいあの人」と一緒に光輝く世界を見たい・・・
「愛しいあの人」と一緒に幸せを探したい・・・
「愛しいあの人」を守りたい・・・

「愛しいあの人」への気持ちがあふれ出してきた・・・
そしてあふれ出したものがいつしか僕の疲れた体を動かしていた

幸せの雫を探すことを上回ったこの気持ちが
僕を必死にさせた
休むこともなく、止まることもなく、飽きることもなく、諦めることもなく
ただ、彼女を探した・・・

けれども・・・

どんなに探しても・・・

彼女は見つからない・・・

そのうち、雨が降ってきた・・・

冷たい雨が僕を濡らしていく・・・

冷たい雨の雫が僕をつたっていく・・・

今頃彼女は雨にうたれているのだろうか・・・
それとも部屋でこの雨を見ているのだろうか・・・
どんな気持ちで・・・どんな心境で・・・どんな心うちで・・・

雨にうたれながら彼女を思った・・・

頬を・・・温かい雫がつたっていった・・・
彼女を思いながら・・・