雨の中、僕は思い出した・・・
僕は元々、光の中で生きていた
そして、どんなに傷ついても自分というものをしっかり保って生きていた
どんなに周りに罵られようと、潰されようと
耐えた先にある幸せを疑うことはなかった
けれども・・・あまりにも長すぎた
1年、また1年と時間を重ねるにつれて
傷も癒えぬようになり、徐々に逃げ道を求めるようになった
そんなときに見つけたのが「闇」と「死」だった
「死」を選ばず、「闇」を選んだ僕はそれからずっと闇に閉じこもった
今思えば、「死」を選ばなかったのはまだ希望を捨ててなかった証拠だろう
闇にずっといると、楽だった。
言葉も必要ない、感情も必要ない、傷つくことも無い世界
けれども楽しみも何にも無い・・・正の感情はそこには存在しなかった
悲しみや辛さなどの負の感情しかなかった・・・
闇にいるだけでは生きていけなかった
闇を体の中に持ちながら、作り笑いなどの表情を完成させて
光の中へ行かなければ暮らせなかった
生きる意味を求めた・・・
存在する意味を求めた・・・
意味がないなら死んだほうがいいのではと考えていたのだ
もう死のうと決心していた時に出会ったのが「愛しい人」だった
彼女はとても輝いていた
いつも一生懸命で、世界を満喫していた・・・
けれども・・・話すようになって、彼女と親しくなるにつれて
「光」ばかりだと思っていた彼女に微かに「闇」の気配を感じた
僕と似たような、でも僕より重そうな「闇」が・・・
それに加えて僕の闇まで圧し掛かってしまったのだろう・・・
そのときの僕はそれに気づかなかった・・・