〜幸せの雫・第8章〜 蒼鷹†光

探した。ひたすら探した
光の世界に来た本来の理由なんかそっちのけで
この説明できない感情を彼女に伝えたくて

彼女を見つけたのは本当に突然だった・・・
彼女は友達と笑っていた・・・
まるであの頃、何もなかったかのように
けれども僕にはなんとなくわかった

「何かを背負ってしまっている」

何の根拠もない・・・僕が率直に思っただけだ
自信過剰というかもしれない
何、格好つけてるんだと罵られるかもしれない
そんなのどうだっていい
僕はただどうしたらいいか考えた

とりあえず僕は彼女との溝を埋めることにした
最初はお互い、過去のことを引きずりながらだった
けれども時間がそれを解決してくれた

日に日に元の関係に戻っていく
特別な関係じゃなく、「友達」という関係に
ちょっとずつ溝が無くなっていくにつれて、彼女がさらに見えてきた
彼女の光の部分、彼女の闇の部分・・・
背負ってしまっている闇、負ってしまった傷・・・

彼女は言っていた
「人は一人で、誰にも関わらずに生きていけない
心にできた穴を埋めてくれるのはやっぱり人だったんだよ。
たとえその穴ができた原因が人であっても・・・」

今、彼女はその穴をどうしているのだろうか・・・
僕でない誰かでその穴を埋めたのだろうか・・・
僕でなくともその穴は埋まるのだろうか・・・

僕はもう何も考えないことにした

考えていても仕方がない
自分の中で考えているだけでは周りは何も変化しないのだから
自分が行動しなければ自分の周りは何も変化しないのだから

自分の気持ちを伝えよう
あの時、雨の中で繰り返し心の中で叫んだあの気持ちを
あなたを守りたい、あなたを幸せにしたいという気持ちを

気持ちを伝えたら、今の関係は失うかもしれない
けれどもいいんだ・・・彼女の傷が、闇が、穴が無くせる可能性が1%でも
この行動にあるのであれば、僕はかまわない

僕が今すべきことはただ一つ
「彼女を過去から解放すること」
たとえ自分が犠牲になってもこれを成し遂げてみせる・・・